2022年6月14日 column

計算されたキッチンインテリアの方程式って?

【Column】攻めも守りも出来るオールマイティーなプロダクトデザイン!

レンジフードと言うものを皆さんはどうお考えか。答えに窮する方も多かろう。レンジフード、あまり話題にのぼらないものかもしれない。 レンジフードについて調べるなどという事はなかなか多くはないはずだ。

新築、リノベーション、引っ越し、そんな人生の大きな変わり目のタイミングでキッチンの事、リビングの事について考えるときに一緒に出てくるワード、アイテムではないだろうか。

わたしは飲食業に10年ほど関わった時期があるためその時期にレンジフードのことを強く意識した。

それはキッチンにおいて大変重要なポジションを持つ。火を使う場所のセーフティアイテム、そういう認識がある。 飲食店の事例ではあるが、レンジフード、ダクトできちんと吸排気、換気をしないと厨房は成り立たない。 まずはキッチンの温度。ガスコンロなどを多用、フライヤー、炊飯器等も大型の業務用機器。おのず環境は高温になり過酷になってくる。そういう場所で丸一日仕事をすれば機材以上に人間がすり減るのだ。 もう一つ、炒め物や揚げ物などで油の細かい粒子が空気に乗って運ばれ、ばらまかれる。

レンジフードはそれを防いでくれる。

つまり油や匂いをホール、客席に行かないよう空気の流れを制御してくれるものでもある。これも重要だ。 それだけにメンテナンスが非常に大切になる。

厨房内の空気を店外に出すと言う事は、レンジフードはにおいや油汚れなど全て引き受けダクトを通して外に排出してくれる。当然ながら清掃が非常に大切になる。特に重飲食と言われている中華料理やカレーなどを扱うレストラン。油がたくさん出るので炒め物等で大きな火を上げた時にダクトが火を吸い込んで、付着した油から出火するなどという事故が起こりうる。それを遮断するためのシステムも付いている。

こういうもののメンテナンスは非常に重要。メンテナンス=安全の担保なのだ。

そんな実用一点張りの話ばかりしてきたが家庭のリビングダイニングにも通ずるところがある。 ライフスタイルの変化や住環境の新しいスタイルからキッチンも部屋ごとに単独で分離した空間ではなくリビングダイニングと言う形で融合した場所になることも多くなった。

大事になるのがレンジフード。

調理をしたときに熱、におい、油、それらのものがキッチンからそのままダイレクトにリビングに流れてしまうのは避けねばならない。その空気の流れを制御するのがレンジフードということになる。

言葉にしてみるといかにレンジフードというものが大切なのかが見えてくる。 せっかくしつらえたおしゃれなインテリアもキッチンから流れてくる油でベタベタになってしまっては台無しだ。

当然ながら自分の新しい環境に設置をするレンジフードの性能が気になってくる。レンジフードの性能、なかなかこれは調べてもぴんとくるものがなかったり難しかったりする。

ここはプロに任せたい。室内の空気の流れなど難しい部分はプロフェッショナルに任せるべきだ。

納得のいく性能が手に入ったら次に気になってくるのはデザインだ。 意外や存在感が大きいのがレンジフード。昔ながらの壁際にあるレンジ周りであればそれほど気にならないかもしれない。

しかし現在主流になりつつあるアイランドキッチンタイプのスタイルを持つ場所では当然部屋の中央にダクトが下がると言う形になる。


ここはきちんとしたデザインのものをチョイスせねばせっかくのインテリアが台無しになる。 たとえばインテリア全体での調和を考えるなら壁や床、キッチンテーブルとの色や素材のバランスを上手に揃えたい。洒落たアイランドキッチンとそのまま続くリビングの空中に突然ステンレスの無骨な四角いレンジフードがあったらがっかりするだろう。

レンジフードにも部屋のカラーそのままに色や形をコーディネートできるといい。 もしくは空中に浮かぶレンジフード、それを部屋のアクセントとして大胆、アーティスティックにデコレートするのも面白いだろう。レンジフードから広がるアクセントを角にしたインテリア、そういうのも面白いかもしれない。 一度その存在感を想像するのは面白いかもしれない。

レンジフード、奥が深いのだ。